イギリスのカリスマナニー・ジーナさんの育児メソッド「ジーナ式育児」。
日本でも、知る人ぞ知る「育児メソッド」です。
ただ、この育児法は、スケジュールが事細かに決まっていて、「産まれたばかりの赤ちゃんに実践するのは・・・」と思うママも多いです。
実際、ジーナさんの本国イギリスでは、「生後3ヵ月目」までは実践しないように推奨されています。
赤ちゃんは、生まれたときから独自の個性があり、妊娠時代の親御さんの生活リズムも多種多様、「このスケジュールが全世界の赤ちゃんにとって最適」というスケジュールがないのは、当然のことといえるでしょう。
実際、日本で「ジーナ式育児」に取り組んだママたちも、「ジーナ式育児」のスケジュールをガッチリ守るやり方ではなく、自分たちの生活リズムに合わせてスケジュールにアレンジを加えた「ゆるジーナ」で取り組んだママたちが多いようです。
実は私も「ゆるジーナ実践者」の一人でした。
自己催眠出産(ヒプノバーシング)を体験し、「ゆるジーナ」を取り入れて子育てをした後、呼吸療法(ソフロロジー)という「ママと赤ちゃんの “心と体の幸せ” をサポートする療法士」になった私からみて、「ジーナ式育児と、どう向き合ったらいいのか?」本記事でお伝えしていきたいと思います。
このページの内容
ジーナ式育児 いつから始めたらいいの?
冒頭でお話したように、ジーナさんの本国イギリスでは、「ジーナ式育児は生後3ヵ月以降に実践すること」が推奨されています。
産後直後には推奨されない「ジーナ式育児」、その新生児スケジュールはどうなっているのでしょうか? ⇓⇓⇓⇓⇓
生後1週間
7:00 ・・・・・・ 起床 授乳
8:30~9:45 ・・・ 朝寝
10:00 ・・・・・・ 授乳
11:15~13:45 ・・ 昼寝 (ママのランチ・タイム & 赤ちゃんお昼寝)
14:00 ・・・・・・ 授乳
15:30~16:45 ・・ 夕寝 (お夕食づくりタイムに最適)
17:00 ・・・・・・ 授乳
18:00 ・・・・・・ 沐浴
18:15 ・・・・・・ 授乳
19:00-22:00 ・・・ 睡眠
22:00 ・・・・・・ 授乳
23:00 ・・・・・・ 睡眠
私の経験では、出産が終わってホッとしたのも束の間、このスケジュールに合わせて生活していくことは、ママの育児を助けるというよりも、ストレスの源になると思うんですね。
出産後に、最も大切なことは「ママの体力回復」です。
「えっ、赤ちゃんのお世話じゃないの?」
と、思われましたか?
赤ちゃんの心と体が健やかに育つために最も大切なことは、「養育者の心と体の安定」なんです。
赤ちゃんは、養育者の力を借りなければ生きていけません。
ですから「養育者の精神的・肉体的疲労が重なると、赤ちゃんも不安」を感じてしまうんですね。
「自分を犠牲にして赤ちゃんのお世話」と考えるのではなく、「赤ちゃんのために自分を大切にしなければ」と考えるようにしてみてくださいね。
「赤ちゃんのために自分を大切にする」という視点で産後育児を考えたとき、やはり「ママの生活リズム」と「赤ちゃんの生活リズム」を合わせていくことが大切だと感じます。
もちろん、不規則な生活ではなく、ママの健康にとってもいい生活とは、自然と規則正しい生活になります。
なので、朝、起きたら「太陽の光を赤ちゃんと一緒に浴びる」「夜になったら、静かで暗めの環境にする」そういった、できる範囲での昼夜の緩急をつけていきましょう。
ただ、そうはいっても、夜、授乳が終わった後にも、「赤ちゃんに長時間泣き続けられて眠れない」、そして昼間眠い・・・、ということもあるでしょう。
赤ちゃんが、「夜泣いて、昼間寝ている」という傾向が激しく、いつまで経っても、その傾向が収まっていかない場合などには、ジーナ式育児スケジュールは、実際のところ、参考になると私は思っています。
結論
というわけで、ジーナ式育児を始めるタイミングは次の2つを参考にするのがおススメです。
ジーナ式育児を始めるタイミング
- ママの体力が『回復した』と感じたとき
- 赤ちゃんの「昼夜逆転」や「泣きつづけられる」のが『しんどすぎる』と感じたとき
ジーナ式育児のメリット vs デメリット
ジーナ式育児には、賛否両論ありますし、ママの意見も様々です。
ですから、結局「あなたと、あなたの赤ちゃんにとっては、どうなのか?」あなた自身が判断していけばいいと思うんですね。
次に挙げるジーナ式の「メリット」と「デメリット」を見比べながら、検討してみてくださいね!
ジーナ式育児のメリット
◆ 赤ちゃんのスケジュールが決まるので、一日の予定が立てられるようになる。
◆ 赤ちゃんが泣いたときに、必要な対応がすぐに分かる。
◆ 赤ちゃんの訴えにすぐ対応できるので、赤ちゃんが安心して過ごしやすくなる。(赤ちゃんが、ご機嫌に過ごしてくれるようになる。)
◆ 赤ちゃんの訴えに適確に対応できることで、赤ちゃんがママに対して持つ信頼感が強くなる。
◆ これらのメリットがうまくいけば、母子ともにストレスが少なくなる。
ジーナ式育児のデメリット
◆ 赤ちゃんの生活リズムが固定されるので、大人の生活リズムをそれに合わせなければいけなくなる。
◆ 赤ちゃんが一定の生活リズムに慣れるので、イレギュラーな予定が入っても、赤ちゃんの融通がききにくい。
◆ 親や親戚が「ジーナ式育児」に理解を示してくれない場合、彼らの都合で孫とのイベントを組みたくてもできないことを不満に思う人もいる。
◆ 保育園などに預けた場合、スケジュールが崩れる。
◆ 参加したいママ・サークルの活動予定が「ジーナ式育児のスケジュール」に合わず、悩ましく思うことがある。
◆ 「〇時になったから、ねんねしなきゃ」という「ジーナ式育児のスケジュール管理」は、周囲の大人に理解してもらえないこともある。
◆ 上に兄姉がいる場合のスケジュール調整が悩ましい。(できないことはありません)
◆ 「今日は、スケジュール気にせず、のんびりした~い」と思っても、赤ちゃんの体内時計がスケジュール通りにセットされているので、自分の都合で息抜きができない。
これらのメリットとデメリットを比較したときに、あなたにとって、どっちが「ストレス減」になるのか?
それを見極めることが大事なんですね。
それを見極めるためには、「あなたにとって、一番の育児ストレスは何か?」について、気づいておくコトが大切です。
私の場合は、次の2つでした。
《私の産後育児 2大ストレス》
◇ 朝起きて、いつ、赤ちゃんが泣くか、分からない。自分の予定を立てても、必ず、赤ちゃんの要求によって中断され、予定が思い通りに片付かない。
◇ 赤ちゃんが泣いても、何を要求しているのか分からない。「授乳・オムツ替え・寝かしつけ」と、全部やっても泣き止まないときは、こっちが泣きたくなる。
私の場合、「海外ワンオペ育児」で頼れる人も聞ける人もいなかったので、「何があっても、最終的に自分しか頼れない」というストレスがありました。
ということで、「もう、やってられん」という状況になる度に、赤ちゃんが寝た後、ググって育児アイデアを探していました(笑)。
そんな私が「ジーナ式育児」を始めて感じたメリットについて、詳しくお話ししていきますね。
あなたの育児の参考になれば、幸いです。
「ジーナ式育児・体験者」が感じたメリット
ジーナ式を始めて、私が感動したことがあります。
それは、「赤ちゃんが泣いている理由が、スケジュールにドンピシャ!」だったということです。
スケジュールに合わせて育児をするようになってから「朝起きて、いつ、赤ちゃんが泣くか、分からない。自分の予定を立てても、絶対に予定が思い通りに片付かない」というストレスは、すっかり消えてしまいました。
朝起きて、「その日の何時に、何をしたらいいのか分かっている」というのは、とても大きな「心の安定」に繋がりました。
また、赤ちゃんが泣いても「あれかな?これかな?うまくいかないな・・・」と迷いながら対応するのではなく、「これをしたらOK!」と自信をもって赤ちゃんと向き合えたため、「赤ちゃんが泣くのが怖い」という気持ちもなくなりました。
そして、赤ちゃんも「無駄に泣く」ということがなくなり、日中、ご機嫌で過ごしてくれるようになりました。
子どもが「元気そうに笑ってくれている」ことほど、私にとって、安心できることはありませんでした。
また、外に出かけても、娘がいつもご機嫌で、「泣いて、どうしようもない」という状況にならなかったので、会う人、会う人に娘を可愛がってもらえたことが、母親としての自信と自己肯定感に繋がっていきました。
母親になってから強く感じることは、「子育てに満たされるかどうか?」が母親の自己肯定感に強く影響する、ということです。
そして、母親が「自分に自信を持てる」ということは、「赤ちゃんが自分に自信を持つ」ことに繋がります。
何故なら、母親は「赤ちゃんにとって自分のルーツ」だからです。
それでは、ジーナ式育児のデメリットについて、やってみてどう感じたか、についてもお話したいと思います。
「ジーナ式育児・体験者」が感じたデメリット
「ジーナ式育児のデメリット」って、実は、結構色々あるんですよね・・・。
では、1つ、1つ見ていきましょう。
1 生活リズムの問題
「赤ちゃんの生活リズムが固定されるので、大人の生活リズムをそれに合わせなければいけなくなる」
これについてなのですが、そもそも「赤ちゃんの方が大人の生活リズムに合わせられる」ことはありません。
多かれ、少なかれ、大人は赤ちゃんにリズムを合わせざるを得なくなるのです。
そして、赤ちゃんの体内リズムを尊重しないリズムになれば、それは「赤ちゃんが愚図る」「夜泣き」「病気にかかりやすくなる」などのデメリットとして現れてきます。
また、長期的に見て「母子の愛着形成」も、育みにくくなりますから、コミュニケーション障害も出てくるでしょう。
私の場合は、こう考えています。
「同じ振り回されるなら、自分が受け入れたスケジュールに振り回された方が楽」
2 イレギュラーな予定に対して赤ちゃんの融通がききにくい。
これは、正直、「悩みの種」でした。
何か、予定を立てるときに、常にジーナ式のスケジュールと照らし合わせて、できるかどうか考えたり、必要な育児グッズを把握しなければいけなかったりしました。
ただ、私の場合は、第一子の育児だったこと、ママ友サークルなどの予定がなく、ほとんど母子での生活だったため、イレギュラーな予定が入ることは稀なことでした。
ですから、「ジーナ式育児」のメリットの方が大きかったんですね。
3 親や親戚が「ジーナ式育児」に理解を示してくれない場合
日本に一時帰国したときは、私の両親は、このやり方に理解を示してくれました。
普段から関わっていたわけではないので問題なしでした。
4 保育園などに預けた場合
私の場合は、娘が生後4ヵ月から保育園は通い始めました。
週2日から始まったので、2日スケジュールが崩れてグダグダになるんじゃないかと心配しましたが、そんなことはありませんでした。
現代のフランスでは、お昼寝時間も食事時間も一律ではなく、それぞれの赤ちゃんのリズムに合わせた保育が行われていました。
結果、娘が保育園に通い出してもジーナ式の体内時計が崩れることはありませんでした。
5 ママ友・サークルの活動予定と合わない
私は、たまにパリの日本人ママ・サークルの活動に参加することがありました。
子どもたちが遊ぶ時間に、うちの子は「ねんね」ということもありましたが、頻繁にあるイベントではなかったので、ストレスになるほどではありませんでした。
6 周囲の大人に理解してもらえないこともある
これは、友人関係で集まったときに、友人と会っている間が「ねんねの時間」となることがありました。
私の場合は、友人たちにサービスをするために「赤ちゃんのスケジュールを崩す」という考えは持ちませんでした。
友人の中には、少し残念そうな顔をする方もいらっしゃいましたが「仕方がない」とは思ってくれていたと思います。
7 上に兄姉がいる場合のスケジュール調整が悩ましい
私の場合は、上の子がいなかったのでスケジュール調整は必要ありませんでした。
でも、上の子がいても、アレンジしながら「ジーナ式育児」を実践されているママもいらっしゃいます。
上の子がいると、下の子も興奮するので、どう調整するかは悩みどころだと思いますが、実践しているママもいるので、できないことはないようです。
8 ママの都合でスケジュール無視ができない。
これは、たまに「ジーナ式の育児スケジュール」を無視した~い、と思うときがありました。
育児は無休なので「たまには休みたいなー」なんて思ったんですね。
でも、「ジーナ式の育児スケジュール」を気にしなくても、赤ちゃんは、お腹が空いたり、排せつしたり、眠くなったりするのは変わりません。
「ジーナ式育児のスケジュール」を休みたい、というよりも、「育児を休みたい」が本質的な欲求だったと思います。
まとめ
まとめると、「ジーナ式育児」だからデメリット、というよりも、赤ちゃんのお世話をすれば、どんな育児方法でも、「すべてママの思い通りにはいかないよね」的な部分が多いかな、と思います。
「ジーナ式育児」を紹介する本には、「快眠講座」というタイトルがついていて、寝かしつけに悩んだママの解決策として知られています。
でも、私が感じた「ジーナ式育児の」一番大きなメリットは、「寝かしつけ」ではなく「生活リズムの管理」と赤ちゃんが泣くことを通しての「母子コミュニケーションの質を上げる」という点でした。
「ジーナ式育児」と「寝かしつけ」については、こちらの記事にまとめていますので、ぜひ、ご覧くださいね!
コチラの記事では、「ジーナ式育児スケジュールのアレンジの仕方」や育児ストレスを少なくして、育児を楽しむための「ジーナ式育児」の活用方法についてもお伝えしています。
ジーナ式育児の詳しいスケジュール「生後1週目~1歳まで」はコチラの記事でご紹介しています。
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