「ジーナ式・育児」に取り込みたいけど、なかなかスケジュール通りに進まない。
スケジュールは絶対に守らないとダメ?
と、悩んでいませんか?
私は、娘の子育てで、1歳になるまで「ゆるジーナ」を実践しました。
また、「赤ちゃんとママの心と体の健康をサポートする」呼吸療法セラピストでもあります。
何故、「ジーナ式・育児」スケジュールを全部守るのではなく、「ゆるジーナ」になったかというと、どんなにメリットの多い「子育てメソッド」も、自分の子どもに100%フィットするわけではないからです。
「ジーナ式育児」は、プロのベビーシッター(イギリスのナニー)ジーナさんが、300人以上の赤ちゃんをお世話してきた中で見出した「赤ちゃんにとって最適な生活リズム」をメソッド化したもの。
その「ジーナ式・育児」の本にも、アレンジするときのルールなどが書かれてあり、やはり赤ちゃんに合ったスケジュールは、ママの観察眼が頼りであることが分かります。
発達検査の結果をなどを踏まえた専門家のアドバイスは別として、「月齢〇ヵ月の赤ちゃんは△△」という先入観にとらわれず、あなたと、あなたの赤ちゃんが一番ハッピーに過ごせる方法を模索してみましょう♪。
そのときは、ママであるアナタの直感を大切にしてくださいね。
さて、どんなルールを元に「ジーナ式・育児」のスケジュールをアレンジしてみたらいいのでしょうか?
「ジーナ式育児」の背景にある赤ちゃんの生態(笑)についてご紹介しながら、私の体験談も交えて、お話していきますね。
このページの内容
ゆるジーナ 守るべきルール
「ジーナ式・育児」は、赤ちゃんに、できるだけ早く昼夜の区別をつけてもらい、生活リズムを整えながら、両親の睡眠時間を確保する、ということを念頭に作られています。
そのために大切なことは「あなたの赤ちゃんにとって必要な一日の睡眠時間を、昼と夜に、どう割り振るか?」という視点が大切なんですね。
例えば、新生児は16時間~18時間の睡眠が必要とされますが、その睡眠時間を一気にとることはできません。
赤ちゃんの胃は、まだ小さく、「16時間~18時間、何も食べずにいる」ということはできませんし、逆に「24(一日の時間)-17(一日に必要な睡眠時間)= 9時間(起きている時間)」連続で目を覚ましていられるほどの体力もないからです。
そのため、『睡眠 ⇒ 覚醒 ⇒ 睡眠 ⇒ 覚醒』を数時間ごとに繰り返す一日のリズムになってしまうわけです。
とはいえ、ママとパパは『夜:睡眠 ⇒ 昼:覚醒』の生活リズムを崩すわけにはいきませんよね?
ママとパパの生活リズムと、赤ちゃんの生活リズムを、パズルのように組み合わせて、お互いに快適に過ごせる生活リズムを見つける必要があるわけです。
そのためのガイドラインが「ジーナ式育児スケジュール」となります。
ゆるジーナ「睡眠スケジュール」のアレンジ
「ジーナ式育児スケジュール」で、よく出てくる悩みは「お昼寝」。
「すやすや気持ちよさそうに寝ているのに、起こすの?」ということに抵抗を覚えるママさんは多いようです。
だって「赤ちゃんが寝ててくれたら、ママは家事や自分のことができて嬉しい」ということもありますよね?
でも、そうやって昼間に赤ちゃんが寝ると、夜、赤ちゃんが眠れなくなってしまいます。
なので、お昼寝時間は、「昼間に寝るトータルの時間を守る」ということが大切なんですね。
トータルのお昼寝時間の目安は、この表のとおりです。
「朝寝」「昼寝」「夕寝」のトータル時間の目安
生後1週目 5時間半以内
生後2~4週目 5時間以内
生後4~6週目 4時間半以内
生後6~8週目 4時間以内
生後8~12週目 3時間半以内
生後3~12ヵ月 3時間以内
この表を参考にして、あなたの赤ちゃんの「お昼寝トータル時間」を測ってみてくださいね。
このお昼寝時間を「朝寝」「昼寝」「夕寝」と分けるわけですが、その日中の睡眠時間の中で、最も大切なのは「お昼寝」。
一日のど真ん中にある「お昼寝」は、赤ちゃんが日中に受けた刺激を整理し、脳を休める大切な時間です。
一方、「朝寝」と「夕寝」は、赤ちゃんの体力によって、必要度合いが変わってくるんです。
特に、「夕寝」が、赤ちゃんの体力に比べて長くなってしまえば、「夜の睡眠」の寝つきや質が落ちてしまいます。
ですから、「ゆるジーナ育児スケジュール」を考えるときは、次のようなことを目安にアレンジしてみましょう。
「お昼寝スケジュール」アレンジの手引き
- 「お昼寝」開始のタイミングが遅い、寝かしつけが大変なら、「朝寝」を少し短めにしてみることにトライ。
- 「夜の睡眠」の寝かしつけが大変なら、「夕寝」を少し短めにしてみることにトライ。
ゆるジーナ 「授乳スケジュール」のアレンジ
睡眠のタイミングだけでなく「授乳・離乳食」のタイミングも、とても大切です。
ジーナ式育児では、「授乳・離乳食」のタイミングは、睡眠から目覚めて15分後が目安になっています。
この15分後の意味は、赤ちゃんが「眠気眼ではなく、しっかりと覚醒している状態」になってから、ということです。
「夜の睡眠」に入る15分前までに、日中最後の「授乳・離乳食」が終了しておくことを目指してみましょう。
母乳とミルクの違い
母乳育児ですと、ママの母乳量が毎回、一定でないことは当たり前です。
そのため、完全母乳のママたちが、「ジーナ式育児スケジュール」を守るのは、結構大変なんですよね。
ジーナさんは、ベビーシッターさんですから、当然、哺乳瓶でミルクか母乳をあげて育児をしていたはずです。
つまり、「赤ちゃんが何ミリリットル飲んだか、ガッチリ把握できる育児」をしていたわけです。
「完全ミルクの赤ちゃんのミルク・タイムは、分単位で完全にコントロールできる」と言っていたママ友の話を聞いたこともあります。
でも、完全母乳では、何ミリリットルの母乳を赤ちゃんに飲んでもらったのか、正確に把握することができませんよね?

ですから、一回の授乳で、何時間、赤ちゃんのお腹がもってくれるか、多少ズレが出てくるのは当たり前のことなのです。
大人でも、「1分も違わず定時に、毎日のご飯」というのは、体にとっては不自然な食事方法です。
自然のバイオリズムは、季節によっても変わりますし、その日の気候や活動量、体調によって変動するものだからです。
ママの体調が優れないときや、赤ちゃんの活動量が多いときは、次の授乳が前倒し、ということも起こりやすいでしょうし、お昼寝や睡眠のスケジュールに影響が出ることも、やむを得ません。
そこで、「夜19時の睡眠」に入る15分前までに、日中最後の「授乳・離乳食」が終了しておく、ということと、「日中のお昼寝タイム」が大幅に崩れない、ということを目安に、「授乳のタイミング」を導いていってあげましょう。
母乳の量が、いつも一定で満腹飲めると、赤ちゃんのスケジュールは一番安定しやすくなります。
が、そうもいかない場合、大切な睡眠の前だけでも「母乳量が満タン」に準備されるような工夫をすることをおススメします。
「ジーナ式育児スケジュール」で、赤ちゃんに、しっかり寝てもらいたいタイミングは「お昼寝」と、「夜23時からの睡眠」です。
その前に母乳がしっかり出るように、「お昼寝前」と「夜23時からの睡眠前」に、母乳が出やすくなるものを食べて「母乳生産スイッチ」を入れる工夫をおススメします。
日常のことで大忙しのママは、どうしても食事が後回しになりがちかと思いますが、「授乳時間」を頭に入れて、母体の栄養補給を考えることで、「夜の寝かしつけ」や「夜中の覚醒」をコントロールできる可能性も上がりますよ♪
ということで、「ゆるジーナの授乳スケジュール」を考えるときは、次のようなことを目安にアレンジしてみてくださいね。
「授乳スケジュール」アレンジのコツ
- 「夜19時の睡眠」に入る15分前までに、日中最後の「授乳・離乳食」を終了させておく。
- 「日中のお昼ねタイム」が大幅にくずれない。
- 「お昼寝前」と「夜23時からの睡眠前」に、母乳が出やすくなるものを食べておく。
私も、娘が0歳児の頃は、一日、一日が自転車レースのタイムトライアルのように感じていました。
朝、起きるとレースがスタート。
インターバルでの、チェックポイントが、「お昼寝」や「授乳」のスムーズさ。
それらを、フィニッシュ「夜の寝かしつけ」に向けて、組み立てていく、という感覚です。
その日、いいタイムトライアル・レースができたかどうかは「夜の寝かしつけがスムーズにいくのかどうか?」で判明。
「寝かしつけが終わると一人反省会」をして、明日の戦略を立てる、というような感じでした(笑)。
私の場合は、「トライした内容」と「結果」を見比べ、新しい計画を立てるのが好きだったので、そんな育児になりました。
あなたの性格に合わせて、育児を楽しんでくださいね。

ゆるジーナ 日中の過ごし方
「お昼寝」のタイミングを「ジーナ式スケジュール」から大幅に崩さないためのポイントは、昼間の「授乳・ミルクの量」と「刺激の量」です。

授乳については、お話しましたので、今度は日中の「刺激量」についてお話しますね。
いくら、お腹いっぱい食べれても、一日中刺激のない生活をしていたら、赤ちゃんは適度に疲れることができません。
でも、刺激といっても、「0歳児に、一体、どんな刺激をあげたらいいの?」って思いますよね?
0歳児に必要な刺激は、「五感を鍛えること」です。
そういった意味で、外の環境は五感刺激の宝庫なんですね。
なので、外を散歩する、窓を開けて外の空気を入れたり、窓辺で外の音を聴かせてあげたり、光に当ててあげるだけでも刺激になります。
他にも、こんなことができます。
視覚刺激 
いろんなものを見せてあげる。
特に、赤ちゃんが関心を示すのはママの顔。
ママの顔には、赤ちゃんにとって、「おもしろいと感じるもの」が沢山ついています。目とか鼻とか口とかですね。
ママの顔が近づいたり遠ざかったりするだけでも、赤ちゃんにとっては刺激になります。
ママが、いろんな表情をしてあげるのも、赤ちゃんにとって、とても楽しいショーです。
聴覚刺激

ママの顔が近づくのと一緒に声も近づいたら、さらに、赤ちゃんにとって「おもしろい刺激」になります。
ママの声は、普段の話し声より、少し高めの音が、赤ちゃんにとっては聞き取りやすいのですが、声の音程が、近づいて来ると上がり、遠ざかると下がる、なども、赤ちゃんにとっては、おもしろいものです。
逆に、聴覚刺激のうちで、工事の音や金属的な音、ロックなどは、赤ちゃんの安心感を損ねます。
赤ちゃんが安心する刺激に絞ってあげることが大事ですね。
嗅覚刺激

色んな香りを嗅がせてあげるのも刺激になります。
強い匂いではなく、ほんのりとした匂いです。
ご飯が炊けたとき、料理をしているときなどに、赤ちゃんの鼻を触りながら「何の匂いがしているのか」話しかけてあげるといいですよ♪
触覚刺激

赤ちゃんとの関わりの中で、最も大切な刺激は、実は「触覚」なんです。
赤ちゃん用の本には、触覚を刺激する本も沢山ありますし、おうちの中には、様々な手触りの布や家具があると思います。
そういったものに触らせてあげると、赤ちゃんなりに色々なことを感じます。
でも、やっぱり何といっても、人の肌に触れることで受け取る情報に勝るものはありません。
ママに触ってもらうことで受け取る情報は、ママの姿を見たり、声を聞いたりするよりも、大きな影響力があるんです。
それは、触られることで「相手が赤ちゃんに対してどういう気持ちを持っているのか?」という感情を受取ることができるからです。
例えば、赤ちゃんの体重に関する研究で、こうした発表があります。
早産などで、産まれたときに医療支援が必要な赤ちゃんは、NICUに隔離されますが、そうした子どもたちには、体重が少ない子どもが多いという報告があります。
そこで、そうしたNICUにいる新生児を何人かえらんで、1時間ごとに5分ずつ、しかも24時間ぶっ続けで、10日間、看護師らに新生児を愛撫してもらいました。
すると、選ばれた子どもたちは、そうでない子どもより早く体重が増え、発育も早いうえ、体も丈夫になったそうなのです。
後に、同じような研究が母親の愛撫について行われました。
すると、母親の愛撫を受けた子どもたちは、4歳児の頃の知能指数が平均で15も高くなったのです。
触覚からの影響はとても強いので、ママが不安や怖れを感じているとき、体が緊張しているときに赤ちゃんに触れれば、ママのストレスがそのまま赤ちゃんに伝わってしまいます。
ですから、赤ちゃんに触れるときは、優しい気持ちで、あなたの呼吸がゆっくり、穏やかになるように心がけてみてくださいね。
そして、頻繁に撫でてあげましょう。
インドの文化には、ママも裸、赤ちゃんも裸でベビー・マッサージをしてあげるシャンターラという習慣があり、「この習慣を毎日、一回、3歳まで続けることで、赤ちゃんの一生分の大きな疾患を予防できる」と言っているソフロロジスト(呼吸療法セラピスト)の医師もいます。
肌と肌が直接触れ合う「肌コミュニケーション」は、赤ちゃんの様々な体の機能不全を防ぎ、赤ちゃんが生涯に渡って健康な体を維持するための礎をつくるんです♪。
赤ちゃんが小さいときは、お風呂に一緒に入らないかもしれませんが、一日5分、10分でいいので、ママと赤ちゃんで裸で触れ合える時間をつくってみるといいですね。
特に、今はコロナなどで、ママが無意識に緊張していることが多いと思います。
「裸になる」ということは『無防備になる』ということ。
お互いに裸になって触れ合うことで、無意識にママも心と体がゆるみ、赤ちゃんに意識を向けられるようになりますよ。
特に、育ての母との人間関係が悪く、お母さんとの愛着形成が良好でないママにとっては、「愛着形成不全」の母子連鎖を繰り返さないことへも繋がります。
うまく活用してみてくださいね♪
刺激の量
大人にとっては「何も起こっていない毎日」に、赤ちゃんはたくさんの刺激を受けています。
あなたにとっては「当たり前の日常」について、赤ちゃんは「興味深く受け取っている」ので、意識的に、小さな刺激を説明してみてあげてください。
そうすると、大量の刺激の渦の中にいる赤ちゃんが、1つ1つの刺激を分けて捉えられるようになり、1つ1つの刺激には意味がある、ということを理解していきます。
そうすることで、赤ちゃんが無駄に不安にならずに済むようになり、適応力も育まれていきますよ。
また、朝は新しいことをたくさんしてあげて、夕方になるにつれて、刺激量を減らして、脳が静まっていくように調節してあげましょう。
何故かというと、赤ちゃんの脳は、まだ未熟で、神経回路が整っておらず、一度、興奮した脳は、刺激がなくなった後も、静まるまでにとても時間がかかるからです。
ですから、夕方の遅い時間帯に、不用意に赤ちゃんにとって刺激的なことが起こると「夜の寝かしつけ」で苦労することになります。
パパが仕事で疲れて帰ってきたとき、仕事のストレスや興奮がおうちへ入ってきたり、パパが赤ちゃんに喜んでもらいたくて興奮した遊びをしてしまったりすることがあるかもしれません。
赤ちゃんの脳がまだ未熟で、自分で興奮を静める力が弱いことを、パパにも理解してもらい、静かに赤ちゃんに癒されてもらえるように働きかけてみましょう。
まとめ
ゆるジーナを実践するためのアレンジ・スケジュールのコツ
- 「睡眠リズム」を考え、その合間に「授乳」を入れていく。
- 「授乳時間」が分かったら、その授乳時間を目安に「ママのご飯の時間」を考える。
- できるだけ朝、刺激的な活動をしてあげ、夕方にかけては、穏やかなリズムで過ごしてみる。
最後まで記事をお読み頂き、ありがとうございました。