「新生児の赤ちゃんの子育てって何が一番大変???」
と聞かれると、ほとんどのママ・パパが「睡眠不足」と答えるほど、新生児育児の「睡眠」はストレスが溜まりがち。
あなたも新生児育児期の「睡眠不足」が出産不安の大きな原因になっていたり、今、将に「睡眠不足と闘っている」ということはありませんか?
この記事では、「生後0日~4週間の新生児」の睡眠の仕組みと攻略法について、お伝えしていきます。
このページの内容
新生児育児の睡眠リズムがママとパパのストレスになる理由
新生児育児の「睡眠」がママとパパにとって大きなストレス源になる理由、そのポイントは次の3つです。
新生児の睡眠がママのストレスになる3つのポイント
- 新生児は連続睡眠してくれない
- 新生児は起きやすい
- 新生児は寝る時間が決まっていない
新生児は連続睡眠してくれない
新生児は、何時間もまとまって一気に「寝る」ということができません。
産まれたばかりの赤ちゃんは、よく寝てくれる赤ちゃんでも4時間くらいが限界です。
ということは、必然的にママやパパも「4時間以上の連続睡眠がとれない」ということになるんです。
これは、しんどいですよね・・・。
新生児は起きやすい
新生児育児の赤ちゃんが寝てくれると、ホッとします。
ところが、「やっと寝た」と思った矢先、小さな物音や、ちょっとしたことで赤ちゃんは「すぐに起きて泣き出してしまう」性質をもっています。
特に寝かしつけにやっと成功したと思っても、「赤ちゃんの傍を離れる前に咳をしてしまったばっかりに、赤ちゃんを起こしてしまう」なんてことも。
赤ちゃんが寝ている間も、掃除機をかけたり、高い笑い声をあげたりするわけにはいきません。
赤ちゃんが寝ている間も、大人の生活の自由度は制限されてしまうんですよね。
(※赤ちゃんによって差があります。)
新生児は寝る時間が決まっていない
新生児の睡眠は浅く、「ウトウトしてはお腹が空いて起き、食べて少し遊んだら疲れてウトウトし始める」というサイクルが数時間ごとに繰り返されます。
そして、毎回「何時何分~何時何分まで寝てくれる」ということが正確には分かりません。
思ったより早く起きたり、よく寝てくれたり、まちまちなのです。
なので、必然的に新生児育児では、ママとパパが赤ちゃんの睡眠リズムに振り回される生活になってしまうんですよね。
このストレスから、できるだけ早く解放されるために、ママやパパにできることはあるのでしょうか?
その攻略法を探るために、「大人の睡眠リズム」がどのように調節されているのかを知っておきましょう。
新生児の睡眠攻略法

大人の睡眠メカニズム
大人は24時間を1サイクルとして睡眠と覚醒を繰り返すリズムを持っています。
この体内時計のことを「サーカディアンリズム(概日リズム)」と言います。
あなたにも、時差がある海外へ旅行したときに時差ボケを起こした経験があるのではないでしょうか?
これは、日本の時計を元にした「サーカディアンリズム=体内時計」が、あなたの体内にあるからです。
それでも、旅行先で数日~数週間もすれば、時差ボケも直りますよね?
旅行先の昼と夜のリズムに、あなたの「サーカディアンリズム=体内時計」が調整されるからなんですよ☆
どのようにして調整されているかというと、「光」や「観光や仕事への外出の時間帯」「食事」、「運動」などの刺激によって「活動的な昼」と「静かな夜」のリズムが調整されています。
このサーカディアンリズムに大きな影響を受けているのが「メラトニン」というホルモン分泌です。
「メラトニン」は、眠気を起こす「睡眠」誘導ホルモンです。
そのため、睡眠障害がある方に処方される薬の中にも含まれていることが多いんですよ。
実は、このメラトニン分泌は、目の網膜から「光」が入ってくると、抑制される仕組みを持っています。
「寝る前にスマホを見てはいけない、テレビを見てはいけない」と言われるのは、ここに理由があるんですね。
基本的には、昼間はどこにいても明るいわけですから、メラトニン分泌が抑制されて眠たくならない仕組みになっているんです。
このように、あなたの体内では「メラトニンというホルモン分泌が昼と夜の睡眠リズムを調節してくれています」が、生まれたての新生児には、まだ、このサーカディアンリズムが発達していません。
何故なのでしょうか?
それは、赤ちゃんが胎児の頃は、胎児のサーカディアンリズムよりも、ママの体内から分泌されるホルモンの影響を強く受けているからです。
特に、メラトニンに関しては、ママの体が分泌するメラトニンが胎盤を通して直接、胎児に影響を与えていると言われています。
赤ちゃんは、子宮の中では自分で食べる必要もなく、自分で呼吸をする必要もありません。
子宮の外に生まれた出た途端、自分で呼吸し、おっぱいやミルクを飲み、様々なホルモン分泌を自分の体内で行わなければなくなるのです。
とはいえ、そのシステムは、生まれ出た瞬間から一朝一夕にできるものではなく、数ヵ月という時間をかけて成熟していく「体の仕組み」なんですね。
新生児の「睡眠」攻略法
新生児育児でママとパパが半泣きになるのは「赤ちゃんが昼夜逆転のリズムになってしまった」とき。
つまり、正しい昼と夜の時間帯で、サーカディアンリズムが安定してくれるだけでも、ママとパパの睡眠不足は解消されやすくなります。
そのためには、どんな方法があるのでしょうか?
「新生児の睡眠」-「妊婦時代の生活リズム」で攻略
先ほど、胎児はママのメラトニンの影響をダイレクトに受けているといいましたが、実際に、新生児の生活リズムは、妊婦さんの生活リズムと相関関係があると言われています。
つまり、「夜更かし型の生活を送っていた妊婦さんの赤ちゃん」と、「朝型の生活を送っていた妊婦さんの赤ちゃん」を比べたとき、「夜更かし型の妊婦さんの赤ちゃん」の方が、夜眠くなる時間が遅くなる、という傾向があるのです。
ということは、「産後は、赤ちゃんに、こういう生活リズムで過ごしてもらいたい」という昼夜のリズムで過ごすことを出産前から心がけることで、ある程度、新生児に昼と夜を教えてあげることができるということなんですね♪
もちろん、新生児に寝て欲しい時間に就寝することはできないかもしれません。
けれども、妊娠中から、産後の赤ちゃんに寝てもらいたい時間に、ママの体でメラトニン分泌が盛んになるように、次のポイントを心がけることで、産後の育児が楽になるはずです。
新生児の睡眠攻略法 ~ 妊娠中の夜の過ごし方
- 室内の照明を薄暗くする
- テレビなどの騒がしい音を避ける
- 心拍や呼吸が落ち着き、血圧が落ち着くような環境を意識する
「新生児の睡眠」-新生児の「サーカディアンリズムの早期確立」で攻略
生れたばかりの新生児には、まだサーカディアンリズムが発達していません。
サーカディアンリズムが安定してくるのは、平均的には、生後12週間くらいだそうです。
ただ、サーカディアンリズムの成熟を促す育児とそうでない育児はあります。
上手にサーカディアンリズムの成熟を促していきたいですね。
例えば、あなたが海外旅行にいって時差ボケになったとき、「もし、日本時間と同じリズムで寝起きしていたら」どうなるでしょうか?
「現地時間の夜に起きて、明るい部屋で活動し、眠たくなったら、外が明るくても雨戸を閉めて部屋を暗くして寝る」という生活を続けた場合、「時差ボケ」は直るでしょうか?
いえ、直ることはなく、「昼夜逆転の生活がつづく」だけなんですよね。
つまり、元々サーカディアンリズムがない新生児の赤ちゃんには、早くサーカディアンリズムが定着するように、ママやパパがサポートしてあげる必要がある、ということです。
では、大人が海外旅行に行ったときのサーカディアンリズムが、どのような刺激によって調節されていたか、もう一度思い出してみましょう。
それは、「光」や「外出習慣」「食事」「運動」でした。
それでは、このような刺激によって体内のサーカディアンリズムを調節してみましょう。
サーカディアンリズム成熟を助ける生活習慣
妊娠中
妊娠期から、体がしんどくても昼間は、できるだけ外へ出て光にあたったり、出産のための体力をつける運動をしたりすることで、胎児にも「活動する時間だよ」と教えてあげることができるでしょう。
光に当たることでホルモン分泌が調節され、活動することで心拍数や呼吸数、血圧が変化し、ママの心拍数と胎児の心拍数は連動していることが知られているからです。
つまり、ママが心拍数を上げて活動しているときは、胎児も心拍数が上がり活動状態になっているわけですね。
出産後
赤ちゃんが産まれた後も、昼間は、部屋の中に自然光を入れたり、外の風をいれたり、して新生児の5感を刺激する環境にしてあげ、夜は反対に、「暗く静かな環境」というように、昼と夜で環境のギャップを作ってあげると効果的です。
毎日、同じ時間帯に赤ちゃんにとって刺激的な活動をしてあげることで、新生児のサーカディアンリズムの成熟が早まることが分かっています。 (Wulff and Siegmund 2002).
刺激的な活動というのは、新生児のお遊びやベビー・マッサージなどのことです。
「新生児の睡眠」- 「授乳・ミルク」の時間で攻略
また、新生児の生活リズムは「授乳時間」にも大きな影響を受けます。
新生児期は、おっぱいを吸うことに疲れて「沿い乳」や「ミルク」で寝てしまう赤ちゃんが多く、それが「寝かしつけ」の方法として定着してしまうママは多いと思います。
ですが、実際には「睡眠」と「覚醒」の良いリズムが崩れてしまいやすくなります。
サーカディアンリズムを調節するための刺激の中に「食事」があったように、食事のあとは胃が活動します。
「胃の活動」は「良い睡眠を妨げる」活動なんですね。
胃が活発に活動している状態、お腹が張っている状態で、赤ちゃんが寝れば、胃がゴロゴロして覚醒したりしやすい状態になってしまうんです。
生れたばかりのときから、「睡眠」と「授乳・ミルク」を分けることで、あとあとの育児がぐっと楽になりますよ。
ママの睡眠不足を解消する方法
これらのことを踏まえて、新生児育児の「睡眠」ストレス源になる3つの理由を振り返ってみましょう。
新生児の睡眠がママのストレスになる3つのポイント
- 新生児は連続睡眠してくれない
- 新生児は起きやすい
- 新生児は寝る時間が決まっていない
新生児は連続睡眠してくれない
この3つの問題を攻略するために、妊娠中のママができることは、妊娠中から生活リズムに気をつけることが大切です。
すでに新生児が始まっているママにできること、それは、赤ちゃんの睡眠リズムをママ主導で組み立てていくことです。
新生児の睡眠リズム攻略法
生後1週間~生後2週間の新生児が一日に必要とする睡眠時間は、16時間~18時間です。
このうち、夜の睡眠時間を12時間と仮定すると(その間、授乳などによる短い覚醒を含みます)、昼間の睡眠時間は4時間~6時間になりますよね?
つまり、お昼に寝ている時間が4~6時間を超えないように組み立てる、ということです。
お昼に寝すぎてしまった赤ちゃんが、夜に眠れなくなってしまうのは当たり前だからです。
新生児期は「朝寝」「昼寝」「夕寝」と昼間に3回の睡眠が入ります。
この3つの睡眠の中で、最も長い睡眠が「昼寝」です。
日中の活動の真ん中に、しっかりとした「昼寝」をとることで、赤ちゃんは午前中に受け取った情報を整理します。
そうすると「昼寝」は2時間くらいしっかりとり、「朝寝」と「夕寝」は1時間30分くらいにおさめるのが妥当ということになるでしょう。
また、「授乳・ミルク」は寝る直前ではなく、覚醒してから15分後にすることで、「睡眠」と「食事」を分けて赤ちゃんに覚えてもらうことができるようになります。
「起きて、お腹をいっぱいにして、遊びや活動」⇒「ねんね」⇒「起きて、お腹をいっぱいにして、遊びや活動」というサイクルを、できるだけ、毎日、同じ時間帯で繰り返すことによって、サーカディアンリズムが早く成熟してくれるようになります。
新生児の「夜のロング睡眠」攻略法
さらに、ママとパパが睡眠不足にならないための奥の手があります。
それは、ママやパパが就寝する時刻の前に、赤ちゃんに起きてもらい、いつもよりたくさんの授乳やミルクをしてあげ、赤ちゃんの就寝と同時に、ママとパパも一緒に就寝することです。
大人の睡眠は、最も深い眠りに入る最初の4、5時間が最も重要とされます。
その時間帯の睡眠が確保できるかできないか、だけでも、日中のスッキリ感が大きく変わるのです。
あなたの就寝前に、赤ちゃんにお腹いっぱいになってもらうことで、この大切な眠りを確保しやすくなります。
30分以内でママとパパもお昼寝
日中のパフォーマンスを上げる「睡眠法」の切り札といえば、「30分以内の昼寝」です。
この昼寝があるかないかで、午後のパフォーマンスに雲泥の差が現れます。
また、ソフロロジーの瞑想音声による20分の仮眠は、「夜の2時間の睡眠に匹敵する」という研究データが出ています。
リラクゼーション状態での仮眠ですから、体力の回復力も上がりますし、新生児期のママとパパには、ぜひ活用して頂きたい「睡眠不足解消の切り札」です。
ジーナ式育児
いかがでしたか?
色々やれることはありそうだと分かったけど「これらを上手に取り入れながら育児をしていくのも、大変なことだな~」と思われませんでしたか?
安心してください。
この記事で紹介した内容が、きれいに盛り込まれた育児スケジュールがメソッドになっている育児法があるんです。
それが「ジーナ式・育児」と言われるものです。
「ジーナ式育児」とは、イギリスのプロのベビーシッター(ナニー)ジーナさんが、300人以上の赤ちゃんをお世話してきた結果、見出した赤ちゃんにとって最適な生活リズムをメソッド化したものです。
ちなみに、こちらが「生後2~4週間の新生児に対する、ジーナ式育児のスケジュール」です。
生後2〜4週目
7:00 ・・・・・・ 起床 授乳
8:45~9:45 ・・・ 朝寝 (朝寝時間 – 2:00)
10:00 ・・・・・・ 授乳
11:45~13:45 ・・ 昼寝 (昼寝時間 – 2:00)
14:00 ・・・・・・ 授乳
16:00~16:45 ・・ 夕寝 (夕寝時間 – 0:45)
17:00 ・・・・・・ 授乳
18:00 ・・・・・・ 沐浴
18:15 ・・・・・・ 授乳
19:00-22:00 ・・・ 睡眠
22:30 ・・・・・・ 授乳
23:00 ・・・・・・ 睡眠
(※23時以降の授乳時間は省略しています。)
トータルの睡眠時間 16時間45分
ジーナ式育児では、親の就寝前の授乳は、22時半となっています。
何故、もっと遅い時間ではなく、22時半になっているかというと、19時に寝たあと、22時の段階では、赤ちゃんがまだ眠たいからなのです。
これがもう少し遅い時間帯、赤ちゃんが気持ちよく一寝入りして元気になった時刻と重なると、再入眠の寝かしつけがうまくいかなくなり、ママやパパの睡眠不足の原因となってしまうんですね。
ですから、赤ちゃんの就寝時刻と就寝前の授乳時刻は、ママやパパの就寝時刻前の授乳時刻から逆算して考えることが大切です。
ジーナ式育児については、こちらの記事をご覧くださいね。
参照サイト:https://parentingscience.com/newborn-sleep/