こんにちは。
「ソフロロジー出産・オンライン講座」「ソフロロジーのセルフワーク実践講座」などを開講している、日本人初「フランス労働省管轄RNCP レベル認定ソフロロジスト」まなみーです。
『ソフロロジー出産をきっかけに「ソフロロジー」を知ったけど、
ソフロロジーって、そもそも何なんだろう?』
そんな疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、日本では、あまりよく知られていない「そもそもソフロロジーって何?」、そして、「何故、セラピーが出産に活かされているの?」ということについて、フランス労働省管轄機関『RNCP』のレベル認定を受けたソフロロジストの筆者が、詳しくご紹介していきます。
ソフロロジスト認定証♪ ⇓⇓⇓⇓⇓
このページの内容
日本でよく知られているソフロロジーとは?
日本にソフロロジーが持ち込まれたのは、今から30年ほど前の1987年のことです。(※日本ソフロロジー協会のサイト参照)
産婦人科医の松永昭(まつなが あきら)先生が、「ソフロロジー式分娩法」という形で日本の産婦人科界に広めていかれました。
これは、「ソフロロジー・メソッド」ではなく、松永先生のメソッドなんですね。
現在では、松永先生が普及に尽力されたやり方を元に、別の産婦人科医の先生方が「ソフロロジーによる出産」について書籍を出版されていらっしゃいます。
ということで、大元のセラピーとしてのソフロロジーは、日本ではよく知られていないのが現状なんです。
本当のソフロロジーとは?
大元のソフロロジーは、出産法ではなく、心と体の健康を安定させて、潜在的な力を発揮できるようになるうために自分で実践していくためのセラピーです。
どうして、本当のソフロロジーが日本に伝わらなかったの?
大元のソフロロジーは、フランス語圏で知られていて、外国に行かないと学べないからです。
筆者は、たまたまフランス語ができたので学ぶ機会に恵まれました。
出産にセラピーが必要なの?
「セラピー・メソッド」のソフロロジーが、何故、出産に活かせるのでしょうか?
ソフロロジーは元々「心と体をほぐしバランスのとれた状態」へと導いていくために、呼吸を用いるセラピー・メソッド。
そして、出産でスムーズに赤ちゃんが体の外へ出てくるためには「体がゆるんでいる」ことが大事なのです。
想像してみてください。ガッチガチに固まった体から、赤ちゃんが無理に狭い産道を通ろうとしたら、赤ちゃんが出てくるのに時間はかかるし、ママの体は無理にこじ開けられるので、裂傷したりするして、想像するだけで痛そうですよね。
産道がゆるみ、痛みが少なく、赤ちゃんがスムーズに出てこられるためには、ママの『心と体がリラックス』していることが大事なんです。
- 恐怖を和らげる
- 体の力を抜く
- 出産に効果的な呼吸をする
スムーズな出産に必須とされる、これらのポイントが、どれもソフロロジーが得意とするアプローチなんです。
ということで、1970年にバルセロナ国際学会で発表されたソフロロジー・メソッドは、現在では、「出産準備」以外にも、次のような分野で活用されています。
- 「ストレス・マネージメント」
- 「病気などの痛み、慢性痛の軽減」
- 「スポーツのメンタルトレーニング」
- 「子どもの多動や集中力の改善」
- 「自己肯定感の回復」
- 「依存症克服」
ソフロロジーが出産にいい理由
ところで、「出産不安や出産ストレス」と「リラックス」の仕組み、一体、呼吸とどう関係しているのでしょうか?
呼吸とリラックスの関係
とっても簡単に説明すると「ストレス反応」と「リラックス反応」は次のような神経反応になっています。
- 体に「ストレス反応」を起こすための指令を送る「交感神経系」。
- 体に「リラックス反応」を起こすための指令を送る「副交感神経系」。
「交感神経系」と「副交感神経系」を合わせて『自律神経系』と呼びます。
ですから、この「自律神経系」のバランスを整えることで、体をリラックスの状態へと誘導してあげることができます。
そして、この「自律神経系」に働きかけるための最も効果的なツールというのが『呼吸』なんです。
大まかにいうと、次のようになります。
- 息を吸う=「交換神経系」が活性化。
- 息を吐く=「副交感神経系」が活性化。
「息を吐くことで、恐怖や不安も、体の筋肉もゆるませることができる」ということです。
そのため、ソフロロジー・メソッドの基本的な呼吸は次のような呼吸となります。
「鼻から息を吸って、すぼめた口から、細く、ゆっくりと息を吐く」
この写真のように、口をすぼめてストローから息を吐くように、息を吐いていきます。
息を吐くだけで、心や体はゆるむのですが、さらに、その効果を高めるために、体の弛緩も同時に行います。体をゆるめながら息を吐いていくんですね。
そして、同時にイメージワークも行います。
では、何故、イメージが「心と体のリラックス」を助けてくれるのでしょうか?
ソフロロジー出産と「イメージ・ワーク」
あなたは、映画やアニメなどの架空の画像を見て「怖い」と思ったり「嬉しい」と思ったり、感情が動いたりしたことがありませんか?
私たちって、実は「画像を見る」だけで、本当にそれが起こったかのような感情を感じることができる仕組みを持っているんです。
何故かというと、脳は「現実の映像」と、「想像した架空の映像」の区別をつけないからです。
想像の世界が脳で処理される仕組み
脳の情報処理は、映像(イメージ)については「視覚野」で、音については「聴覚野」で、匂いについては「嗅覚野」で行われています。
そして、それらは、映像や音や匂いが架空のものであっても、現実のものであっても、関係ないんです!
つまり、嘘でも本当でも、脳が映像を見ると「視覚野」が、音を聴いた気がすれば「聴覚野」が、匂いを嗅いだ気がすれば「嗅覚野」が刺激されることになるんですね。
「ソフロロジー・メソッドを実践するときの3つのポイント」は、次のようなもの。
ソフロロジー・メソッドの3つのポイント
- 穏やかな呼吸を感じる
- ゆるんだ体の感覚を感じる
- 気持ちのいいイメージから受け取る安らぎの感覚を感じる
体をゆるめながら息を吐き、リラックスできるイメージを思い浮かべれば、それだけでかなりリラックスできます。
が、同時に、そのゆるんだ呼吸や体感を意識して感じるのがソフロロジー・メソッドの特長的な部分なんですね。
何故、ゆるめただけなく、ゆるんだ感覚を意識して感じるのか?
それは、普段、無意識でいる「体の感覚」を意識的に感じ取ることによって、「リラックスしている感覚」が確実に脳へフィードバックされ、そうすると、さらに、脳が「リラックス反応」を産み出す指令を出すようになるからです。
このように「リラックス反応を起こす刺激」をエンドレスに自力で創り出すことができるのが「ソフロロジー・メソッド」なんですね。
もちろん、イメージトレーニングは、「出産の流れ」などを疑似体験するのにも役立ちます。
ところで、リラックスといえば、「ヨガ」も有名ですよね?
多くの産院さんが、母親学級で「マタニティー・ヨガ」を取り入れていらっしゃいます。
実は、ソフロロジーには、ヨガも取り入れられているんです。
ソフロロジーとヨガ
マタニティー・ヨガとの違いは?
カイセド先生は、ソフロロジーを開発するにあたって、インドにヨガを学びに行かれています。
ソフロロジーが「ボディワーク」と「瞑想ワーク」から成り立っているのは、ヨガの影響を受けてのことです。
ヨガは、精神の内側に深く入り込む瞑想に入る前に、瞑想に入るための準備として「体を動かすエクササイズ」を行います。精神や意識のバランスを整えていくソフロロジーも、「瞑想ワーク」に入る前に「体をゆるめる」ことから始めるんです。
ソフロロジーに取り入れられているのは、「ラージャ・ヨガ」というヨガの流派です。
ソフロロジーとラージャ・ヨガの違い
「ラージャ・ヨガ」は、呼吸法を用いたボディワークをしながら「体の感覚」に気づいていく流派なのですが、ヨガとソフロロジーには、一つだけ大きな違いがあります。
それは、ヨガが「ボディワークをしながら、体をほぐしていくことを目的」としているのに対して、ソフロロジーは、「ボディワークをしながら体をほぐし、体がゆるむ感覚を感じることによって、自分の「体の存在」に意識的に気づく目的」がある、という点です。
この視点は、筆者の「オンライン・ソフロロジー出産」の『セッション4・体への信頼を高める』というステップに取り入れられています。
日本やヨーロッパで実践されているヨガ教室の多くは、エクササイズに重点が置かれ、体をストレッチしたり、訓練しないとできないような体勢でバランスを取ったり、続けることで「身体能力」も上がっていくイメージがあると思います。
もちろん、マタニティー・ヨガでは、妊婦さんが行っても大丈夫な運動なので、過激な体勢にはならないと思いますが、それでも、体力・筋力がついたり、体を鍛えたりできるようになっているようです。
ソフロロジー・メソッドでは、「意識の状態を整えていく」のが主たる目的のため、「体力づくり」という観点では不十分です。
一方、「マタニティー・ヨガ」では、体は鍛えられるかもしれませんが、「出産の痛みなどへのダイレクト・アプローチ」はできません。
そう考えると、「マタニティー・ヨガ」で体力をつけながら、「ソフロロジー出産」を実践されると、相性がいいように思います。
ソフロロジーに取り入れられている仏教と禅
カイセド先生は、インドだけでなく、チベットや日本へも旅行し、「チベット仏教」や「日本の禅」も、ソフロロジーに取り入れられました。
チベット仏教
ヨガでは、自分という存在の中に「体がある」という意識へ目覚めることを取り入れました。
この「自分の体」への気づきは、「今、ここに居る自分」への気づきになります。
そこで、チベット仏教から取り入れたのは、自分という存在を「今、ここに居る自分」だけでなく、「自分を取り巻く環境の一部として、存在している自分」への気づき、また、「過去から未来へと流れる時間の中で、存在する『今』」への気づき、という視点です。
ソフロロジー出産では、「妊娠中の自分の視点だけに視野が狭まり、今の不安で一杯いっぱい」な意識の状態から、「赤ちゃんと繋がりを持っている母親としての意識」への目覚め、「妊娠している今の自分に起こっている全て」が、「未来の出産・子育て」へと途切れずに繋がっていく、ということへの気づき、へと促されていきます。
こうすることで、「今ある恐怖や不安」に飲み込まれるのではなく、「今の状況や、自分の存在意義」を、より広い視野で捉え、そのことが出産に向き合う「勇気」や「自信」など、「妊婦さんが潜在的に秘めている力への気づき」へと繋がっていくのです。
日本の禅
日本で有名な「座禅」。
「座禅」とは、何か気になることがあったときに、リアクションとして、立ち上がって行動するのではなく、「座する=動かない=リアクションしない」という行動を通して、内観することです。
「恐怖や不安」「体の不快感」「周囲の人からの言葉かけ」など、妊娠すると、出産・育児に関係して、気持ちが動揺する原因となることが様々起こると思うんです。
そういった「外側からの刺激」に気持ちが左右されている状態から、「自分の内側へ意識を集める集中力と不動心」を育む、という点がソフロロジーに取り入れられています。
実は、この訓練が、出産時の「痛みのケア」に欠かせない「集中力」と「リラックス状態への移行」を助けてくれます。
ソフロロジー 痛みへのアプローチ
ソフロロジー・メソッドは、出産以外でも、「痛みの緩和ケア」に大いに役立てられています。特にフランスでは、癌患者さんの痛みケアに積極的に活用されています。
ソフロロジーをしっかりと身に着けた場合は、痛みを感じにくい「脳波の状態」へ移行することができます。その状態では、「脳内モルヒネ」と呼ばれる、痛みを麻痺させる物質が分泌されるんですね。
この痛みケアに使われる方法が、ソフロロジー出産にも役立てられているんですよ♪
痛みを感じないメカニズムについては、コチラの記事もお読みくださいね。
ソフロロジー出産百科 Vol. 2 ホントに痛みは消えるのか?【「無痛分娩」との比較】
まとめ
まとめると、ソフロロジー・メソッドの次のような性質が「ソフロロジー出産」に取り入れられているんですね。
ソフロロジーが出産に取り入れられた理由
- 出産時の呼吸法
- 出産不安の緩和(ストレス・マネジメント)
- 痛みの緩和ケア(意識の移行)
- 自信を育むメンタル・トレーニング
- 出産イメージ・トレーニング
いかがでしたか?
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